B2Bマーケティング施策のすべて:目的別の選び方と実行ガイド  – ファネルAi
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B2Bマーケティング施策のすべて:目的別の選び方と実行ガイド 

マーケティング施策とは、事業目標を達成するための具体的な打ち手のことです。B2Bでは、複数の関与者が存在し、意思決定が長期化しやすいため、認知から受注、拡大まで各段階に効く施策を組み合わせて設計する必要があります。商材単価、セールス体制、計測基盤と整合させ、KPIで検証と改善を回すことが成功の前提となります。

B2BとB2Cの違いを踏まえた施策設計

B2Bマーケティングには独特の特徴があります。購入意思決定に複数部門が関与し、導入リスクや切替コストが大きく、情報収集も比較検討が中心になります。単価が高く検討期間が長いため、単発の集客よりも、段階的に信頼と確信を醸成する導線が不可欠です。

たとえば、検索で比較ページに流入させ、導入事例で確証を作り、ウェビナーで不安を解消し、ABMで個社最適の提案に繋げる。こうした連続性が成果を左右します。施策選定は、客単価、商談周期、PLGかSLGかといったセールスモデル、そして社内の運用体制を軸に行うとブレません。

目的別マップ:認知・需要創出・商談化・受注・拡大

最上位の目的は売上ですが、現場ではフェーズごとに達成すべき中間目的が異なります。

認知フェーズでは、ブランド想起や指名検索の増加を目指します。需要創出では、MQLの質と量が重要になります。商談化では、初回打ち合わせの獲得やSQL比率を追います。受注では、受注率と獲得単価がKPIとなり、拡大では、アップセル率や継続率、ネットレベニューリテンションなどを重視します。

重要なのは、各フェーズのKPIと次のフェーズへの橋渡しを明確にすることです。たとえば、ウェビナーの参加自体をゴールにせず、参加後48時間以内のフォローと比較資料の提示までを施策に含めておく、といった具合です。

施策の全体像を俯瞰する

B2Bの施策は大きく以下に分類できます:

  • 有料チャネル:検索広告やディスプレイ、SNS広告など
  • 自社コンテンツ:ブログ、事例、比較ページなど
  • 共同施策:他社と連携するウェビナーや展示会など
  • 既存顧客の深耕:アップセルやクロスセル施策
  • 営業連携施策:ABMやインテントデータ活用など
  • プロダクト施策:無料トライアルやツール提供など

検索広告やディスプレイ、SNS広告は短期のトライアルと検証に向き、自社コンテンツや事例、比較ページは中長期での指名獲得と商談密度の向上に寄与します。共催ウェビナーや展示会は接点の量と質を同時に確保しやすく、ABMやインテントデータ活用は高単価領域での勝ち筋を作ります。

予算とスピードで見る最適解

低予算・短期成果を狙うなら、検索連動型広告の最小構成に、比較LPとリターゲティングを組み合わせるのが定石です。

中予算なら、トピッククラスター型のSEOとホワイトペーパー群、毎月のウェビナーシリーズを連動させ、フォームの改善やチャット導入などCROを平行して進めます。

高予算であれば、1対少数のABMと大型展示会、体系化された動画コンテンツや無料ツールの投入が効きます。

時間軸は、広告とリマーケティングが数週間、ウェビナーやメディアタイアップが数か月、SEOやコミュニティが数か月から一年と捉え、短期・中期・長期のポートフォリオを混在させる運用が現実的です。

チャネル別実践ガイド

検索広告

意図の強い見込み客に即時リーチできます。比較や代替、価格、導入事例など商談直結ワードに絞るのが肝心です。開始は短期間で可能ですが、LPの整備が前提になります。

主要KPI:CVR、獲得単価、検索語句の質
運用のコツ:ブランド名の守りと攻めのキーワードを分けて運用すると無駄が減ります

ディスプレイ・リターゲティング

認知と追跡の両面に使えます。事例や比較記事に触れたユーザーに限定して接触すると、配信の無駄が少なくなります。

主要KPI:到達頻度、再訪率、ビュースルーからの商談化
運用のコツ:クリエイティブはオファーと社会的証明を中心に据える

SNS広告(LinkedInやXなど)

職種や業種のターゲティングが有効です。オファーは白書やチェックリストなど実務に直結するものが機能します。

主要KPI:リードの実在率と職種の適合度
運用のコツ:広告だけで完結させず、ウェビナーや事例連動で育成を前提にする

コンテンツマーケティング

ブログ、事例、比較・代替ページが土台になります。比較・代替は「AとBの違い」「Aの代替」のような意思決定直前の検索意図を取りやすく、商談密度を高めます。

主要KPI:指名検索、非ブランド流入の商談化率、記事別の滞在と内部遷移
継続のコツ:社内の専門知を編集して体系化すること

SEO(トピッククラスター)

テーマを中核ページと周辺ページに分けて、内部リンクで網羅性と関係性を示します。技術面はスピードと構造化、内容面は一次情報と具体事例が鍵です。

主要KPI:対象クエリの占有、流入の商談化、被リンク獲得
成功のポイント:更新ログと監修表記で信頼を底上げする

ウェビナー

テーマは顧客の意思決定に直接関係する課題に寄せ、共催で未接触層に広げます。準備は台本とデモ、当日のQ&A設計とアフターフローまで含めます。

主要KPI:参加率、視聴完走率、48時間以内の商談化
効果的な運用:録画の二次利用までを企画に含めると費用対効果が伸びる

展示会・カンファレンス

数多くの接点を短期で獲得できますが、成功は事前と事後に依存します。事前のアポイント打診、当日の導線とオファー、即日フォローがセットです。

主要KPI:名刺の質、スキャン後の返信率、二週間以内の打ち合わせ化率
成功のコツ:ノベルティよりも明確な資料提供や診断のほうが商談に繋がる

ABM(アカウントベースド)

狙う企業群を定義し、1対少数で企画・コンテンツ・広告・ISを統合します。個社向け事例や業界特化資料が効きます。

主要KPI:ターゲット内の接点密度、意思決定層の接触数、パイプライン貢献
実行のポイント:インテントデータや逆引きドメインを起点にし、プレイブックで反復可能にする

メディアタイアップ・記事広告

第三者の編集力と到達を活かす施策です。自社発信では語りにくい社会的意義や顧客価値を立てやすく、事例とセットにすると信頼形成が早まります。

主要KPI:到達と指名検索の増分、資料請求の質、二次利用の効果
注意点:露出後は自社サイトでの受け皿を必ず整える

リファラル・アライアンス

既存顧客や周辺プレイヤーからの紹介は高い転換率を誇ります。紹介のハードルを下げる仕組みと、共同価値を作る提案が肝要です。

主要KPI:紹介件数、紹介経由の受注率、紹介元の満足度
再現性の向上:成功パターンをナレッジとして共有する

プロダクト主導(フリーミアムや無料ツール)

体験を先に提供し、価値理解と社内合意を促します。無料ツールやテンプレの配布は、指名と被リンクの獲得にも繋がります。

主要KPI:アクティブ利用、無料から有料への転換、利用組織内の横展開
効果的なアプローチ:利用データを元にした適時の提案

ナーチャリング・スコアリング・メール

連載的な教育と適切なタイミングの提案で、温度の上昇を待つ施策です。スコアリングは単なる加点ではなく、営業の一次評価と整合させます。

評価ポイント:開封やクリックよりも、営業が価値を感じる会話への寄与で評価する

CVRO(コンバージョン最適化)

LPやフォーム、CTA、チャットなど接点の質を高めます。フォームの項目を必要最小限にし、一次応答の速度を上げるだけでも成果は変わります。

主要KPI:CVR、初回応答時間、商談化率
改善のコツ:ABテストは意思決定に意味がある仮説から始める

施策選定のフレームワーク

優先順位は、効果の見込み実施の容易さ影響範囲で評価します。短期の検証が効くもの、中期で資産化するもの、長期で市場ポジションを作るものを混在させ、四半期ごとに配分を見直します。

選定の際は、営業連携度と計測の容易さも評価軸に加えると、実行後の改善サイクルが回しやすくなります。

KPI設計と計測基盤

言葉の定義合わせが最優先です。MQL、SQL、商談、受注の境界を営業と共通化し、MAとCRMに落とし込みます。チャネル別の評価は単発の獲得単価だけでなく、商談密度やパイプラインの質まで見ます。

アトリビューションは完璧を目指さず、意思決定に資する粒度で運用し、週次のレビューで学びを更新します。

実行テンプレート

企画書の構成

  • 目的
  • 獲得したいペルソナ
  • 提供するオファー
  • クリエイティブの骨子
  • 配信の設計
  • 計測方法

LPのブリーフ

  • 読者の状況
  • 価値提案
  • 証拠
  • オファー
  • FAQ
  • フォーム送信後の体験

ウェビナー企画

  • タイトルで対象と成果を明確化
  • デモとQ&Aで疑念を解消
  • 録画の配布とフォローを48時間以内に実施

展示会準備

  • 事前の打診
  • 当日の導線
  • 即日のフォロー

ABM計画

  • ターゲット群の定義
  • 想定シナリオ
  • 個社向け資産
  • 接点計画
  • 評価方法

よくある失敗と回避策

頻出する失敗パターン

  • 目的とKPIの不整合
  • 営業との未連携
  • MQLの数量偏重
  • オファーの弱さ
  • 比較ページの不在
  • 長いフォーム
  • リマーケティング不足
  • 資産の更新停滞

回避策:四半期のポートフォリオと責任者、評価基準を事前に決め、週次のレビューで「やめどき」と「強化ポイント」を明文化します。施策の寿命管理を意識し、成果が逓減した資産は改善か撤退を判断します。

実践的なモデルケース

中小規模SaaSの短期成果狙い(3か月)

検索広告で比較系キーワードを狙い、比較LPを起点にリマーケティングで白書を配布し、月次ウェビナーに繋ぐ。参加者にはデモ動画と事例を送り、二週間で打ち合わせ化を目指す。並行して、代替ページと料金ページを整え、FAQを拡充する。

高単価エンタープライズ向け

ABMで狙いを絞り、業界別の事例と個社向け提案資料を用意し、共催ウェビナーやアナリスト露出で信頼形成を前倒しします。

よくある質問

Q. 低予算では何から始めるべきか?
A. まずは意図の強い検索に絞った広告と、比較LPの整備です。

Q. 短期で成果を求めるなら?
A. 広告とリマーケティングにウェビナーを連動させ、48時間以内のフォローを徹底します。

Q. B2BでSNSは意味があるのか?
A. ターゲティングとオファー次第で十分に機能し、特にLinkedInは職種精度が高いです。

Q. 展示会とウェビナーはどちらが先か?
A. 接点の量を急ぐなら展示会、質を磨くならウェビナーですが、録画の二次利用まで含めれば両者は補完関係にあります。

Q. ABMはいつから始めるか?
A. 案件単価が高く、ターゲットが明確な時点が適期です。

Q. SEOと広告の投資配分は?
A. 短期の学びと長期の資産を両立させる比率にし、四半期ごとに見直します。

Q. MQLとSQLの違いは?
A. マーケ接点の段階評価と、営業が商談と見なす基準の差であり、定義の共同策定が不可欠です。

Q. 比較ページの作り方は?
A. 選び方の軸を先に提示し、機能差だけでなく導入のしやすさや運用負荷も語ることが信頼を生みます。

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