顧客起点を追求! 「未来ユーザー事例」が生むビジネスインパクト【Thinking Backwardsを応用したBtoBマーケティング】
はじめに
近年、顧客が本質的に求める成果や体験を先にイメージし、そのゴールに向かって逆算式に戦略を組み立てる「Thinking Backwards」というアプローチが、アマゾンの「未来プレスリリース」の例などによって注目を集めています。BtoC事業だけでなく、BtoB事業におけるマーケティングにおいても、顧客起点の視点を持つことがますます重要になっています。
本記事でロゴラボが提唱する「未来ユーザー事例」は、顧客が将来的にどのようにサービスを活用し、どのような変化をもたらすのかを先取りして示すことで、社内外の合意形成を加速し、高いビジネスインパクトを生み出すことが期待できる手法です。本記事では、Thinking Backwardsの基本的な考え方から、未来ユーザー事例を活用する具体的なメリットと実践ステップについて解説します。
Thinking Backwardsとは
「Thinking Backwards(シンキング・バックワーズ)」は、最初に目指すべきゴールを明確化し、そのゴールを実現するために必要なプロセスや要件を逆算して設計する思考法です。アマゾンの「未来プレスリリース」が有名で、未来のリリース内容を想定しながら商品やサービスのコンセプト、機能、顧客体験などを細かく描き出します。これによって、「本当に顧客が求めている価値は何か」を具体的に捉えやすくなるだけでなく、プロダクトチームやマーケティング、営業など複数部門が同じビジョンを共有しながら一貫性をもって開発・提供できるようになるのです。
「未来ユーザー事例」とは
「未来ユーザー事例」は、Thinking Backwardsの考え方をさらに一歩進め、実際に顧客がサービスを導入・活用している“未来の成功事例”を先に描いてしまう手法です。従来のユーザー事例が「過去から現在までの成果」を振り返ることに主眼がおかれるのに対し、未来ユーザー事例は「まだ実現していないが、達成すべき・達成したい理想像」に焦点を当てます。
これにより、サービス導入後にユーザーが直面する変化やメリット、課題の解消点などを事前に可視化できます。社会的背景や顧客の課題、導入理由、導入後の効果、そして将来の展望までをストーリーとして描くことで、チームやステークホルダーが「実現したいゴール」を具体的にイメージしやすくなり、事業推進のモチベーションや説得力を高められるのが大きな特徴です。
「未来ユーザー事例」が生むビジネスインパクト
未来ユーザー事例は、単にアイディアを具体化するだけでなく、大きなビジネスインパクトをもたらす可能性を秘めています。
社内コミュニケーションの円滑化
ゴールに至るまでの道筋が明確になり、複数の部門が同じビジョンを共有しやすくなるため、社内コミュニケーションが大幅にスムーズになります。説得力の高いプレゼンテーション
実現後の活用イメージが鮮明に示されることで、社外のステークホルダーや潜在顧客に対しても「こういう未来が訪れるなら導入したい」と共感を得やすくなります。新規顧客開拓や追加投資への好影響
投資対効果が想像しやすくなるため、上層部や投資家からの承認を得やすくなり、他社との差別化にもつながります。
このように、未来ユーザー事例を作成することで、組織内外に強力な“未来の説得材料”を提示でき、ビジネスを加速させる原動力になるのです。
未来ユーザー事例の構成要素と作り方
未来ユーザー事例を効果的に作成するには、以下の要素をストーリーとしてまとめるのがおすすめです。
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社会的な背景
多くの場合、「課題」から入ると思いますが、社会的な背景がもっとも重要です。業界や市場のトレンド、ユーザー企業の置かれた環境などを簡潔に示しましょう。 -
課題
ユーザー企業がどのような問題を抱えていたのかを描写し、その問題をどうして解決したいのか、解決するためのアクションをとる必然性など、それぞれ深掘りましょう。その結果として「なぜ変化が必要なのか」を具体的に示しましょう。 -
選定理由
数ある選択肢の中で、なぜ自社のサービスやソリューションが選ばれたのかを、ユーザー視点で説明しましょう。この時に意外と大事なのが自社サービスのネガティブな評価ポイントも示しておくことです。 -
導入効果
どのような成果が得られたのかを数字やストーリーで示します。コスト削減、売上アップ、業務効率化など、定量面のメリットだけでなく、社員のモチベーション向上など定性的な効果も取り上げると良いでしょう。当然ながら1や2に関連する情報である必要がありますが、副次的な効果もアリです。 -
将来の野望(ビジョン)
自社サービスをユーザーが利用することは、おそらく大きな取り組み・流れのなかの一部であることが多いはずです。導入効果を創出したうえで、さらにユーザーが見据えるであろう将来の野望を描いてみてください。
上記の要素を一連のストーリーとして描き出すことで、“未来”を具体的かつ魅力的に示す事例に仕上げることができます。
まとめ
顧客起点の視点を徹底し、Thinking Backwardsを活用して「未来ユーザー事例」を作成することは、BtoBマーケティングにおいて非常に有効なアプローチです。これにより、
開発・営業・マーケティングなどの各部門が同じビジョンを共有しやすくなる
ユーザー企業や社外ステークホルダーとの合意形成をスムーズに進められる
新規顧客開拓や追加投資獲得への説得力が高まる
といった効果が期待できます。まだ形になっていない“未来”を先に描くことで、関係者は顧客価値を優先しつつ、より具体的にプロジェクトを進めやすくなるでしょう。
ぜひ、この「未来ユーザー事例」の考え方を取り入れ、自社のサービスやプロジェクトのビジョンを明確化し、ビジネスの成果を最大化してください。