自社ブランドの不正販売を速やかに検知する方法を徹底解説
近年、インターネット上で自社ブランド製品の不正販売(偽造品・無許可の並行輸入品・模倣品など)が後を絶ちません。税関統計によれば、2019年には知的財産侵害物品の輸入差止め点数が7年ぶりに100万点を超えたと報告されています。Amazonやメルカリなど主要オンラインプラットフォームやSNS上で偽物が流通すれば、消費者の信頼を損ねブランドイメージを損傷するだけでなく、正規品の売上機会を奪う経済的損失も無視できません。このような被害を最小限に抑えるには、不正販売を速やかに検知し早期に対処することが肝要です。本記事では、大手ブランドのマーケティング・法務担当者向けに、自社ブランド製品の不正販売を迅速に見つけ出す具体的な方法と最新技術を徹底解説します。
不正販売とは?その種類とリスク
「不正販売」とは、ブランド権利者の許可なく正規ルート外で販売される商品全般を指します。主な形態として以下が挙げられます:
- 偽造品:許可なくブランドのロゴやデザインをコピーした粗悪なニセモノで、商標法違反です。
- 模倣品:ロゴは使わずとも正規品と紛らわしい外観を持つ商品で、混同を招けば不正競争防止法違反となり得ます。
- 無許可の並行輸入品:海外の正規品を許諾なく輸入・販売するもの。品質や保証の違いで消費者に混乱を招けば権利侵害と判断される可能性があります。
これら不正販売品が市場に出回ると、ブランド価値の毀損や正規代理店の機会損失につながります。消費者が偽物を掴まされればブランドへの不信感にも直結します。これらを野放しにすれば深刻なリスクに直結するため、いち早く検知して排除する体制構築が不可欠です。
不正販売が横行する主要オンラインチャネル
不正販売品は以下のようなオンラインチャネルで確認されています。それぞれに応じた監視体制を取りましょう。
- Amazonや楽天市場など大規模ECモール:多数の出品者が参加するマーケットプレイスでは、偽物や無許可品が紛れ込む場合があります。
- メルカリなどフリマアプリ:C2C取引が盛んなフリマサービスでも偽ブランド品が出回るリスクがあります。
- SNS(Instagram・Twitter等):SNS上で「格安販売」「○○セール」などと称し、DMで非正規販売を持ちかける例も見られます。ハッシュタグや画像投稿で宣伝する手口は監視の目が行き届きにくいため注意が必要です。
不正販売を速やかに検知する最新技術と具体的方法
不正販売の脅威に迅速に対処するには、テクノロジーと人の目を組み合わせた多層的な監視体制が有効です。ここではブランド保護のために活用できる最新技術と具体的な検知手法を紹介します。
AI画像解析による偽物検知
AI(人工知能)を用いた画像解析技術は、商品画像から真贋を自動判定する試みとして注目されています。例えば大手リユース企業では、商品画像から本物か偽物かを判定するAIシステムを開発し導入しています。ブランド企業も自社製品の特徴をAIに学習させてネット上の出品画像をスキャンし、ロゴ無断使用や外観の微妙な違いを検出することが可能です。AIは大量の出品を人手より高速にチェックでき、疑わしい商品ページをリアルタイムにあぶり出す強力なツールとなります。
モニタリングシステムを活用した自動監視
ウェブサイト上の情報を自動収集するモニタリングシステムの活用も有効です。自社ブランド名や製品名でオンラインマーケットを定期巡回し、新規出品情報をチェックすることで不審な出品を素早く捕捉できます。例えば商品タイトルや説明文に「○○風」や「コピー品」といったキーワードが含まれる場合に自動でアラートを出すような常時監視も可能です。自社で対応が難しければ、外部の専門サービスに監視を委託することも検討しましょう。
SNS監視とソーシャルリスニング
TwitterやInstagramといったSNS上での不正販売も見逃せません。定期的にブランド名や製品名でハッシュタグ検索を行い、非公式な販売投稿をチェックしましょう。近年ではAI搭載のSNS監視ツールも登場しており、大量の投稿から不正な取引の可能性を検知することも可能です。発見した際はただちにプラットフォーム運営に通報し、投稿削除やアカウント停止を依頼することが重要です。
消費者通報システムの整備
消費者を味方につけることも不正販売の早期発見につながります。自社サイトに「偽物・不正販売の通報窓口」を設置し、顧客や正規代理店から情報提供を受け付けましょう。購入品が偽物だったと消費者から連絡を受け発覚するケースもあるため、通報フォームや専用ホットラインを用意しておけば現場の情報をいち早く入手できます。寄せられた通報は法務部門で精査し、違反出品には迅速に削除申請、悪質なら警察への相談も行います。
知財専門業者・ツールとの連携
自社のみですべてのチャネルを監視するのが難しい場合、外部の専門業者やツールを活用するのも有効です。ブランド侵害の監視サービスでは主要サイトを24時間パトロールしてくれます。例えば偽サイトやオークション、フリマアプリまで網羅的にチェックして発見次第レポートと削除申請支援を行うことも可能です。自社のリソース状況に応じて外部の力も借りながら監視網を構築しましょう。
日本における法的解釈と規制
不正販売への対処には法的知識も欠かせません。日本では自社ブランドを守るため商標法と不正競争防止法が主要な根拠となります。商標法では登録商標を無断使用した偽物販売は商標権侵害となり、差止めや損害賠償請求の対象になるだけでなく、悪質な場合は刑事罰も科されます。不正競争防止法では他人の商品と混同を生じさせる表示の使用や、著名ブランドの名前・装飾の無断使用、模倣品の販売が禁じられています。
主要プラットフォーム各社も偽ブランド品撲滅に向けた取り組みを強化しています。例えばメルカリは社内専門チームの常時監視に加え、警察・行政機関との連携も進めています。ブランド側も違法出品を発見したら違反報告機能ですぐ削除要請し、必要に応じ証拠を保全した上で法的措置(警告・差止訴訟等)も検討しましょう。法の枠組みを理解し活用することで、不正販売者に毅然と対処しブランドと消費者を守ることができます。
まとめ
自社ブランドを守るには、偽造品や無許可販売を迅速に検知し対応することが不可欠です。本記事で紹介した通り、AI画像解析やスクレイピングによる自動監視、Amazonブランド登録の活用、SNSパトロール、消費者通報網、専門業者との提携など多角的に対策を講じましょう。特にオンライン取引が日常化した現在、24時間体制で市場を見守る仕組みづくりが重要です。不正販売を早期に発見し排除することで被害拡大を防ぎ、「監視の目が行き届いている」ことを示すことで模倣業者への抑止効果も期待できます。自社の状況に合わせた検知システムを整備し、大切なブランド資産を守りましょう。