【事例に学ぶ】ロゴ刷新の成功法とデザインのポイント   – ファネルAi
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【事例に学ぶ】ロゴ刷新の成功法とデザインのポイント  

企業の顔ともいえる「ロゴ」は、時代や戦略の変化に合わせて刷新されることがあります。実際、ロゴ刷新によってブランドイメージを一新し、ビジネスの成長につなげた成功事例は数多く存在します。例えば、Googleやスターバックスなどのグローバル企業も、時代のニーズや自社の戦略に沿ったロゴ刷新でブランド価値を高めてきました。

本記事では、主に国内企業に焦点を当ててロゴ刷新の成功事例を紹介します。それぞれの企業がロゴ変更に踏み切ったビジネス上の背景や目的、デザイン面での工夫、プロジェクトマネジメントの取り組み、そして刷新後にもたらされた成果について詳しく見ていきましょう。

【成功事例】国内企業のロゴ刷新

ヤマト運輸:約64年ぶりのロゴ変更で伝統と革新を両立

日本を代表する宅配サービス企業であるヤマト運輸は、クロネコヤマトの愛称で親しまれる黒ネコ親子のロゴマークを実に約64年間ほとんど変更していませんでした。しかし2021年3月、同社はその象徴的なロゴを大幅にブラッシュアップする決断をしました。ビジネス背景には、ネット通販拡大による宅配需要の増加や、グループ全体での「One Yamato」戦略によるサービス革新など、事業環境の変化があります。長年築いてきた信頼の象徴を活かしつつ、次の時代にふさわしいブランドイメージを打ち出すことが目的でした。

デザイン面では、従来の黒ネコ親子のシンボルはそのまま残しつつ、全体をフラットでシンプルかつスタイリッシュな印象へと刷新しました。具体的には線の太さやフォルムを洗練させ、デジタル媒体でも視認性の高いクリーンなデザインに仕上げています。またコーポレートカラーも黒と黄を基調に白とグレーを加えた4色に整理され、グループ全体で統一感のある新しいロゴタイプも開発されました。さらに、新ビジョン”既成概念にとらわれず果敢に挑戦する”姿勢を象徴する「アドバンスマーク」と呼ばれる新アイコンも導入されています。このマークは今後の新規事業や挑戦を示す際に使用されるもので、従来のロゴでは表現しきれない先進性を補完しています。

プロジェクトマネジメントの観点では、消費者や社内への丁寧な説明とストーリー共有が刷新成功の鍵となりました。ヤマト運輸では新ロゴ発表にあたり「なぜデザインを変えるのか」「新ロゴに込めた想い」を積極的に発信し、単に「新しいロゴはこちらです」と一方的に提示するのではなく、その背景にあるストーリーまで共有しました。これにより長年親しまれたロゴの変更に対して消費者も納得感を持ち、受け入れやすくなっています。結果として、新ロゴは2021年度グッドデザイン賞も受賞し、ブランドの革新性と親しみやすさを両立した成功例として評価されました。ヤマト運輸は伝統あるシンボルを時代に合わせて進化させることで、ブランド価値を維持・向上させることに成功したのです。

※関連記事:企業のCI・ロゴ・ブランド刷新プロジェクトを成功させるためのガイド

日本航空(JAL):創業の原点に立ち返るロゴ復活で信頼回復

老舗企業のロゴ刷新は、新たな方向性を示すだけでなくブランドの原点を再強調する手段にもなります。その好例が日本航空(JAL)です。JALは2000年代に入り経営統合や競争激化の中でロゴを変更し、一時は鶴のマーク「鶴丸」を廃して別デザインを使用していました。しかし、2010年の経営破綻を経て再建を図る中、創業時からの象徴である「鶴丸ロゴ」を復活させることを決断します。2011年4月、新生JALのスタートに合わせて鶴丸をあしらった新ロゴを採用し、原点回帰によるブランド刷新を図りました。

ビジネス背景として、破綻後の信頼回復と社内士気向上が急務だったJALにとって、創業の精神を映した鶴丸ロゴは「初心に立ち返り、再挑戦する決意」を示す最適なシンボルでした。新ロゴでは伝統的な丹頂鶴の意匠を踏襲しつつ、翼を広げた円形のデザインを洗練させました。またロゴタイプ(JALの文字フォント)も現代的で力強い書体に変更され、ロゴ全体として躍動感とシャープさが感じられるデザインに仕上がっています。長年親しまれた赤い鶴のマークを復活させたことで、JALのアイデンティティである「日本の翼」としての誇りと伝統を再び強くアピールしました。

このロゴ復活プロジェクトは、経営再建に合わせた大規模なブランド戦略として社内外への周知が行われました。社内では全社員に対し新ロゴに込めた約束や理念を共有し、再出発への結束を高めました。社外にはプレスリリースや広告キャンペーンを通じて「新生JAL」のメッセージを発信し、ロゴ変更がニュースとして大きく報じられます。長年親しまれた象徴が戻ってきたことに顧客からは好意的な反応が寄せられ、ブランドイメージは大きく向上しました。結果として、JALは破綻からわずか数年で業績を黒字化し再上場も果たすなど信頼を見事に回復します。伝統のシンボルを戦略的に再活用することで企業再生に成功したJALの事例は、ブランドストーリーとの整合性がロゴ刷新においていかに重要かを示すものと言えるでしょう。

カルビー:親しみやすさと現代性で若年層にアピールしたロゴリニューアル

お菓子メーカーのカルビーは、長年馴染まれてきたロゴを2019年に刷新しました。カルビーはポテトチップスなどで知られる食品企業で、子どもから大人まで幅広い世代に親しまれるブランドです。刷新前のロゴは赤いカラーで「Calbee」と表記されたものでしたが、フォントやデザインにやや旧来の印象があり、特に若年層への訴求力強化が課題となっていました。そこでブランドの伝統は残しつつも、より親しみやすく現代的なデザインへアップデートすることがロゴ変更の目的となりました。

新しいロゴは引き続きカルビーのコーポレートカラーである赤を基調としつつ、書体をシンプルで柔らかい印象のものに一新しています。丸みを帯びたフォントにすることで、親しみやすさや温かみを表現し、消費者との距離を縮める工夫を施しました。また無駄な装飾を排したミニマルなデザインとし、パッケージや広告など様々な媒体で視認性が高くなるよう配慮しています。結果として、新ロゴは「親しみやすさ」と「現代的イメージ」の両立に成功し、若い世代にも受け入れられるデザインとなりました。伝統の赤色はそのまま活かされているため、従来のファンにも違和感なく受容され、ブランドの連続性も保たれています。

カルビーではロゴ刷新に合わせて商品パッケージデザインのリニューアルも段階的に進め、店頭でのブランドイメージ統一を図りました。またSNSやプロモーションを通じて新ロゴのお披露目を行い、「カルビーはこれからも進化し続けます」というメッセージを発信しています。プロジェクトマネジメント面では、マーケティング部門とデザイン部門が協力してブランド戦略を再定義し、新ロゴに込めた「おいしさと楽しさを届ける」という企業理念を社内外で共有しました。ロゴ刷新後は売上面でも若年層向け商品が好調になるなど、ブランド刷新の効果がうかがえます。カルビーの事例は、配色やタイポグラフィの工夫によってターゲット層への訴求力を高め、企業の伝統と革新を見事に融合させた成功例と言えるでしょう。

大創産業(ダイソー):グローバル展開を見据えた大胆なCIリニューアル

100円ショップ「ダイソー」を展開する大創産業も、近年ロゴ刷新によるブランド戦略の強化に成功した企業の一つです。ダイソーは国内外に数千店規模で店舗を持ち、日本発の低価格雑貨ブランドとして広く認知されてきました。従来のロゴはカタカナの「ダイソー」という文字を用いたものでしたが、創業から約45年が経ちブランドの国際化や商品ラインナップの拡充が進む中で、現行のCI(コーポレート・アイデンティティ)が時代に合っていない課題がありました。とりわけ海外市場への進出や、100円を超える価格帯の商品展開(300円商品など)の拡大に伴い、ブランドイメージを再定義する必要性が高まっていたのです。

そこで大創産業は2019年3月にCIとロゴを約半世紀ぶりに刷新しました。新ロゴでは思い切って表記をアルファベットの「DAISO」に統一し、世界中で通用するブランドロゴへ生まれ変わりました。デザイン上の大きな特徴は、アルファベットの「A」を山のような形にアレンジしている点です。この三つの山にも見えるシンボルには「生活を少しでも上向きに(アップデートする)」という意味が込められており、新スローガン「だんぜん!ダイソー」と合わせて”暮らしをより良くアップデートするブランド”というメッセージを表現しています。全体の配色は明るいマゼンタピンクを基調とし、シンプルかつ力強い書体を採用することでモダンで若々しい印象を与えるデザインに仕上げられました。新ロゴは一目で「DAISO」ブランドと分かる明快さと、これまで培ってきた親しみやすさを両立したものとなっています。

プロジェクトマネジメントの観点では、段階的な導入計画と徹底したブランドガイドライン策定が奏功しました。まず2019年3月に公式ウェブサイトをリニューアルし新CIを公開したのを皮切りに、新ロゴを使用した店舗デザインへの移行を順次開始しました。第1号店となった大阪・梅田の店舗では外観看板や内装に新ロゴを適用し、大々的にリブランディングをアピールしています。以降、全国・海外の店舗看板や商品パッケージ、販促物に至るまで新デザインへの切り替えを計画的に進め、短期間で統一感あるブランドイメージを構築しました。また社内では営業、商品開発、広報など関係各部門が連携し、「ブランド価値を世界へ広げていくための改革」として新CIの目的を共有。従業員に対する説明会やマニュアル整備も行い、現場レベルで新しいブランドメッセージを体現できるよう浸透施策を徹底しました。その結果、ダイソーは100円ショップ業界のリーディングカンパニーとしての地位をさらに強固なものとし、新ブランド下で300円など高価格帯商品の売上拡大にも成功しています。ダイソーのケースは、グローバル志向のデザイン刷新と社内外への綿密な浸透策によって、ブランド価値の向上と事業成長を実現した好例と言えるでしょう。

メルカリ:デジタル企業が挑んだフラットデザインへの刷新で次の成長ステージへ

創業間もない企業であっても、成長に伴いブランドを再定義するためにロゴを見直すケースがあります。その代表例がフリマアプリ大手のメルカリです。2013年創業のメルカリは急成長を遂げ、2018年には東証マザーズ上場を果たすなどスタートアップからユニコーン企業へと躍進しました。そのタイミングでメルカリはサービス開始から約5年で初のロゴ刷新に踏み切ります。背景には、単なる「フリマアプリ」からユーザーの日常生活に広く役立つプラットフォームへと進化するというビジョンがありました。具体的には、決済サービスのメルペイ事業や米国展開など事業領域が拡大する中で、より包括的なブランドメッセージを打ち出す必要が生じたのです。ロゴ刷新の目的は大きく二つに整理され、「メルカリのこれから(未来像)を表現すること」と「汎用性の高いロゴを目指すこと」でした。

新しいメルカリのロゴデザインは、旧ロゴの持っていた「箱から何かが飛び出すワクワク感」の要素を受け継ぎつつも、要素を削ぎ落としてよりシンプルでフラットな表現へと生まれ変わりました。ロゴマークは赤・青・緑の立体的な箱のアイコンから、フラットで鮮やかな赤色のシンボルマークに刷新され、ロゴタイプも丸みのあるサンセリフ系フォントで親しみやすさと信頼感を両立しています。このデザインには「オープンでフェアなマーケットを目指す」というメルカリの理念が反映されており、誰にとっても使いやすく公平なサービスであることを表現しています。配色は従来通りカラフルさを残しつつもビビッドな単色使いを効果的に取り入れることで、アイコンとしての視認性も向上しました。結果として、新ロゴはアプリ上の小さな画面から屋外広告まで様々な場面で見やすく、拡張する事業ポートフォリオの下でも一貫したブランドイメージを提供できるデザインとなっています。

メルカリのロゴ刷新プロジェクトは、社内に新設されたデザイン専門チーム(CXOデザインチーム)が主導し、社内外のステークホルダーを巻き込んだ大がかりな取り組みとなりました。プロジェクト開始にあたっては経営陣の強いコミットメントのもと、「なぜロゴを変えるのか」について明確な物語を定義し、それを従業員全体で共有することから着手しています。開発・マーケティング・カスタマーサポートなど各部門が連携し、数ヶ月にわたる検討とデザイン制作プロセスを経てリブランディングを推進しました。新ロゴ発表時には社内イベントやブログ(デザインブログ)で裏側やストーリーを公開し、従業員のブランド理解度向上と誇り醸成につなげています。社外にはプレスリリースとともに、アプリのアップデートを通じて数千万のユーザーに一斉に新アイコンを提示し、大きな話題を呼びました。ユーザーからは「シンプルで見やすい」「サービス拡充の表れだ」と肯定的な反応が多く、ロゴ変更による混乱や否定的評価はほとんど見られませんでした。むしろ刷新を機にブランド認知がさらに高まり、メルカリはその後もユーザー層の拡大や新サービス展開(例えばメルカリShopsや海外市場での成長)を順調に進めています。メルカリの事例は、デジタルプロダクトにおけるロゴの汎用性と組織横断的なプロジェクト管理の重要性を示すものとして、他の新興企業にとっても参考になるでしょう。

デザインのポイント: ロゴ刷新を成功させるチェックリスト

複数の事例を見てきたように、ロゴ刷新は綿密な戦略と創意工夫によって成功へ導かれます。最後に、経営者やマーケティング担当者が自社のロゴ刷新プロジェクトに取り組む際に押さえておきたいポイントをまとめます。

目的とビジネス背景の明確化

なぜロゴを刷新するのか、その目的を最初に明確にしましょう。新規顧客の獲得、ブランドイメージの転換、グローバル展開への対応、経営統合や社名変更への対応など、ビジネス上の背景と目標を言語化します。目的が明確であればあるほど、デザインやプロジェクトの方向性がブレずに済みます(カルビーの例では「若年層へのアピール」が明確な目的でした)。

ブランドストーリーとの整合性

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